保守点検とはなんだろう? その2
2022年5月6日
皆さん、こんにちは!本社営業部の大竹です。
本日もマルモの舞台裏をお読みくださいましてありがとうございます。
今日は以前こちらで紹介させていただいた「保守点検とはなんだろう? その1」
の続編となります。(前回の記事はコチラからお読みいただけます)
前回は舞台照明設備の保守点検の2種類のうちのひとつ
「日常保守点検」についてご紹介させていただきました。
今日はふたつ目の「定期保守点検」についてご紹介したいと思います!
こちらは照明設備を施工したメーカーによる点検作業です。
保守点検を行うとカルテのような形で設備の状態をを把握することができます。
このカルテによって耐用年数を過ぎた部品を適切に交換することが出来るので、
トラブルを未然に回避することができます。
また、予期せぬトラブルが起こってしまった場合には迅速に原因究明が行える
というメリットもあります。
私たち人間に例えると、かかりつけのお医者さんの健康診断のようですね。
![](https://marumo.co.jp/column/wp-content/uploads/2022/01/22442929_s.jpg)
(公社)電気設備学会、(公社)劇場演出空間技術協会刊行の
劇場等演出空間電気設備指針には下記のように点検項目例が記載されています。
(※施工業者による点検ですので、契約内容により点検項目、年間の点検回数は異なります)
1主幹盤、分岐盤、調光器盤
盤内配線の点検・保守、ブレーカ調光器等の点検、盤内配線の絶縁試験、接地線の導通試験、
法規で定められた負荷配線の絶縁試験、調光制御試験、漏電遮断器・漏電警報装置の動作テスト
2調光操作卓
卓内配線の点検、フェーダ・操作スイッチ等の部品の点検・保守、直流電源等卓内設備機器の点検試験、
電源強電部の絶縁試験、卓接地の導通試験、制御信号の特性試験、調光動作特性試験及び調整、
バックアップを有する場合はその動作試験、調光操作卓の総合テスト
3負荷配線設備
負荷配線の点検、ボーダーケーブルの点検、コンセントの点検、フライダクトの点検
4フォローピンスポットライト
灯体の点検整備、電源ボックスの点検、電源ボックスの絶縁試験、機器設置の導通試験
となっています。
このように定期保守点検では、公演活動に欠かせない設備の点検をしっかりと行います。
前回の「日常保守点検」と今回の「定期保守点検」
両者の密接な連携があれば日々の公演の安全、安心につながってゆくのだな、
ということが調べみたことでよりよく分かりました!
それでは最後になりますが、実際に当社定期保守点検現場の様子を少しだけご紹介しますね!
(撮影協力:東京芸術劇場)
![](https://marumo.co.jp/column/wp-content/uploads/2022/05/2409-scaled.jpg)
![](https://marumo.co.jp/column/wp-content/uploads/2022/05/59349e6722153061e867511f30a719ec.jpg)
保守点検とはなんだろう? その1
2022年1月31日
皆さん、こんにちは!
営業部の大竹です。本日も当ブログ、マルモの舞台裏をお読みくださいましてありがとうございます。
2022年になりそろそろ1か月が過ぎようとしています。
御挨拶が遅くなりましたが、この一年が皆さんにとりまして益々、幸多く、実り豊かな年となりますよう
お祈りいたします。
さて、入社してからの勤続年数が長いとはいえ、未知の領域学ぶべきことはまだまだあるなぁと思う今日この頃です。私にとってそのひとつが劇場内で行われている保守点検業務になります。
保守点検は、劇場や講堂という限られた空間でのみ行われる業務のため、営業課で社内の業務に従事している私にはあまりなじみのない仕事です。
そこで!今回は2回に分けて保守点検について私も勉強しながら皆さんにご紹介してゆきたいと思います。
劇場やホールなどで日々開催されている演劇やコンサート。
それは当然ながら Show must go on 。
ひとたび幕が上がれば終演まで、あらゆる設備は正常に運転され、公演を止めるようなことがあってはなりません。
ですが、どんな設備でも使用頻度や使用条件、経年による部品の劣化などが原因で変化をきたしてゆきます。
ですので、公演活動に支障をきたさないためにも、私達人間の健康診断と同じように舞台照明の点検整備を行うことでその変化にいち早く気づき、必要に応じた対処をすることがとても重要になります。
![](https://marumo.co.jp/column/wp-content/uploads/2022/01/22442929_s.jpg)
保守点検には大別すると2種あります。
「日常保守点検」と「定期保守点検」です。
日常保守点検は施設を管理している方、照明のご担当の方に行っていただく日々のチェックと整備です。
(ご使用になる方々の手で行われる点検です)
『劇場等演出空間電気設備指針』((公社)電気設備学会、(公社)劇場演出空間技術協会 刊行)
では日常保守点検において次の作業を行うことが推奨されています。
1.フェーダーの動作確認
2.操作スイッチ類の動作確認
3.計器及び表示器の動作確認
4.バックアップシステムを有する場合はその動作確認
5.照明器具類の点灯確認と予備電源ケーブル、落下防止ワイヤーの異常確認
6.延長ケーブル、接続器の破損等の確認
7.照明器具類の清掃
8.照明器具類の絶縁試験と接地線の導通チェック
9.主幹盤、調光器盤等のブレーカ目視確認
10.漏電遮断器、漏電警報装置の動作テスト
照明器具については(公社)劇場演出空間技術協会の照明部会で
『演出空間用照明器具を安全に使用するために』という安全手帳(←クリックするとみることができます)をデータで公開しています。
こちらには更新時期や劣化判定基準の点検項目と判断基準の例が記載されていますので是非、ご一読ください。
というわけで今回は日常点検について色々とご紹介sました。
確かに日々のお手入れで気付けることが沢山ありますね!
日常点検を行い不具合などが見つかりましたら、最寄りの営業所までお気軽にご相談ください。
次回はもう一つの保守点検、『定期保守点検』についてご紹介したいと思います。
いまさら聞けない的情報 さん
2015年12月26日
ゴーン、ゴーン
はっ!しまった、もう除夜の鐘が・・・・
すいません、情報発信ペースがカタツムリです。
危うく「いまさら聞けない」が「いまさら書けない」になるところでした。
言い訳はこれくらいにして、
今回のいまさらは「調光盤のアラームが鳴ってるけど・・・」です。
調光器盤の機種によって出せるアラームは違いますが、今回は基本的な
所だけ書いてみます。
まずは、盤の扉についているアラーム表示灯が点滅している場合です。
この場合も調光器の種類によって、出ているアラーム内容が少々異なります。
うちの調光器盤にはこんな ↓ ブロック入ってないよ。という方は
扉のアラーム表示灯が点滅した場合は、その盤内のブレーカがトリップしています。
ちょっとカッコよく言いましたが、ブレーカが落ちてOFFになっているってことです。
ブレーカが漏電検知式ではないので落ちた原因は容量オーバー(過負荷)です。
落ちている回路の使用容量、配線の状態などを調べて下さい。
原因を調べて、状況を改善しないままブレーカを入れても、またすぐに落ちてしまいます。
原因の内容によっては、大きな事故につながる場合もありますので、必ず原因を調べて改善
してからブレーカは入れて下さい。
~~ここでプチ情報~~~~~~~~
ブレーカは、容量オーバーで回路保護の為に落ちるようになっていますが、
繰り返し落ちることがあると、性能が低下して、正常動作せずにすぐに
落ちるようになってしまいます。
これは手動による入り切りも同様ですので、必要が無ければ「ブレーカはONのまま」
これ基本です。
毎日操作主幹のブレーカを入り切りしている方もいらっしゃると思いますが
ブレーカはONのまま、操作主幹スイッチのON/OFFでお願いします。
~~~~~~~~~~~~
で、話し戻しまーす。
次にうちの調光器盤にはこんな ↓ ブロック入ってますって方
この場合は、容量オーバーだけでなく、漏電、オーバーヒート
空冷ファン停止を検知してアラームを発報します。
「インテリジェント調光器」なんて呼んでますが、色々賢くなって
お知らせできる情報が多くなってます。
今回はこのブロックの説明は省かせてもらいますが、漏電が原因で
アラームが出た場合も必ず原因をクリアにしてからブレーカを
いれますが、このタイプはもう一つリセットスイッチを押さなければ
調光器が正常に出力しません。
それがここの「漏電リセット」と書いてある赤いスイッチです。
各調光器盤の一番下のブロックにあります。
んー、今回はなかなか内容が濃い感じになった気がする・・・・
すいません、このブロックの説明しろよって事ですよね。
さすがに、このブロックの説明となると、少し長くなっちゃうのと
そこまでいったら、丸茂に電話って状況だと思いますので
「よん」、「ごー」とおいおい触れていこうと思います。
今回の主人公であるブレーカですが、そもそも2種類あって
単純に容量オーバー(過負荷)で落ちるもの、言い換えると漏電は
分からないもの、と漏電検知式のものがあります。
そんなの常識でしょ!という方、すいません「いまさら~」シリーズなので。
意外と過負荷と漏電の違いが分からないっていう人いるのかなぁって
勝手に思って書きました。
そんな奴いないよ!だったら失礼しました。
m(_ _)m
それでは今回はこの辺で失礼します。
テクニカルサービス課 池田
いまさら聞けない的情報 にー!
2015年3月17日
大変ご無沙汰してしまいました。
「いまさら聞けない」的情報、今回は「レンズ清掃」です。
やっぱり、「知ってるよ!」ですよね。
「いまさら」シリーズなので暇つぶしな感じでお付き合い下さい。m(_ _)m
今回は「CSQ-500W」を使って説明します。
ふる!!って言わないで下さいね。
んー、程よく汚れてますね。
まずは、前面のレンズ保護網を取り外します。
知恵の輪みたいに、下の写真のところをガイドからずらしてクルクル
長年ご使用頂いていると、枠が歪んでいたりするので、ちょっとガチャガチャするかも
しれませんが、必ず外れます。がんばって!!
外れました。
これで表面は掃除できますね。
濡らした雑巾を固く絞って汚れを落とします。
その後、乾いた布でよーーく乾拭きして下さいね。
次は内側です。
器具の側面にあるツマミを摘んでロックを外します。
固い場合がありますので、写真のように必ず手袋を
して作業してくださいね。
内側も同様に汚れを拭きとって、必ず乾拭き!です。
掃除が終わったら先筒を元に戻します。
止め金具が「カチッ」というまで、しっかりと元に戻して下さい。
外した時と逆の手順でレンズ保護網を元に戻したら
レンズ清掃終了!!です。
1台終わったら、未清掃のものと見比べて下さい。
え~!こんなに汚れてたの?ってビックリすると思いますよ。
吊り込みやシュートではなく、清掃などで器具に触る事・間近で
見る事って、故障などの早期発見や事故予防に対して、すごく
重要な事なんですよ。
定期的にスポットライトに触れて・見てみて下さい。
よろしくお願いします。
テクニカルサービス課 池田
いまさら聞けない的情報1
2013年11月8日
今回は「いまさら聞けない」的情報、「ランプ交換について」です。
そんなの知ってるよ!
はい(^-^)/、わかっております。
でも、もう一度確認してみてください。
今回はMSスポットライトを使って説明します。
ランプ交換の基本中の基本、充分冷やしてからプラグを抜いて作業開始です。
そう、もう一つの基本、手袋は必ず着用!!
裏蓋をパカッ!
ズームをクルクルっと回して、ミラーをレンズ側に移動させます。
ミラーを一番奥にしたら手で掴んでミラーを手前にパタン。
これでソケットのロックが外れます。
これも当たり前と言われちゃいそうですが、ランプのガラス面は
絶対に触らないように注意です。
指紋や汚れが付くとランプ寿命が一気に短くなっちゃいます。
詳しいことはまたの機会に・・・( ´ ▽ ` )ノ
ここで、MSスポットライトのランプは特殊で後ろ前があります。
ちょっと確認しましょう。
横から見ると、土台部分(茶色)に高低差があります。
高い方がレンズ側(前)、低い方がミラー側(後ろ)です。
逆につけるとハレーションの原因になったりします。
土台の部分をよーく見ると「レンズ側」と彫刻されてます。
前と後ろを間違えないように確認したら、外す時と逆の手順で
ランプをソケットにしっかり差し込んで。
ミラーをしっかりと起こしてランプをロック。
裏蓋をしっかり閉めたら、ランプ交換完了(^-^)/
ミラーはランプのロック機構も兼ねているということを覚えておいて下さいね。
他のスポットライトのランプソケットにも必ず電球ロックの機構は付いています。
ランプ交換の際は、ロックの確認を忘れないように注意してください。
最後に、交換した使用済みのランプの足の部分(バイポスト)に偏った変色や
焼損が見られたら、ソケット自体に焼損が発生しています。
電球寿命の短命化の原因となりますので、早期のソケット交換が必要です。
ランプを廃棄する前にちょっと注意して見てみてください。
以上、ランプ交換についておさらいさせて頂きました。
火傷等怪我のないように十分に注意して下さい。
追記です!!
毎度のお願いをさせて頂きます。
ランプはメーカー推奨電球を使用してくださいm(_ _)m
今回のMSスポットライトはHT電球が推奨です。
よろしくお願いします。